インヨウカク(淫羊霍)は滋養強壮効果があることで知られる有名な生薬です。

漢方系の精力剤によく利用され、日本では薬用養命酒が有名ですね。

日本やドイツでは医薬品成分として扱われていて、健康食品に分類される精力増強サプリには配合してはいけません。

ですが、健康食品と称して販売しているサプリから度々検出されている成分でもあります。。

医薬成分であることから副作用もあります。


インヨウカクとは

インヨウカクはイカリソウ(碇草)というメギ科の多年生植物から作られています。

イカリソウの原産国は中国ですが、日本でも北は北海道、南は九州まで幅広く栽培されています。

イカリソウは、「船の錨(いかり)」に似た可愛らしい花を咲かせる事からそう呼ばれています。

古来からこれを飲むと老人も杖が不要になるほど元気になるため、「放杖草」という別名もあります。

イカリソウには20種類以上の多くの種類があり、日本で栽培されているイカリソウは主に、九州や四国に広がる「バイカイカリソウ(梅花碇草)」や北海道を中心に広がっている「キバナイカリソウ(黄花錨草)」などがあります。

インヨウカクは中国の「ホザキノイカリソウ(穂咲碇草)」から作られたものを意味し、日本のイカリソウを使ったものは区別される意味で「和淫羊霍(ワインヨウカク)」と呼ばれることもあります。


インヨウカクの効果と効能

インヨウカクには強壮、強精効果があり、男性の性的不能や女性の不妊、高齢者の衰弱、腰や膝の衰えなどの解消に用いられます。また催淫作用があるとも言われます。

■インヨウカクの効果

  • ED治療
  • 不妊
  • 衰弱
  • 腰や膝の衰え

医薬品成分ではありますが、即効性はそれほど高くなく、基本的には時間をかけて体に作用する生薬です。

またインヨウカクには降圧作用があると言われており、更年期の高血圧症などにも使われます。また加齢による物忘れ対策の薬として飲まれたり、無力感や記憶力の低下、神経衰弱にも良いとされています。

イカリソウに含まれるイカリインという成分は、ED治療薬と同じ作用があると言われています。

一酸化窒素の生成の促進をし、下半身の血流改善に効果があり、また勃起を鎮めるために必要な「PDE-5(ホスホジエステラーゼ)」を阻害する作用もあると言われています。

さらにエピメジンという成分が男性ホルモンを分泌促進するため催淫作用があります。


インヨウカクの副作用

インヨウカクの成分にはめまいや吐き気、口渇や鼻出血などの副作用があります。

  • めまい
  • 吐き気
  • 口渇
  • 鼻出血

そのため当然ながら適量を摂取しなければなりません。

また体質によっては適量であっても副作用が出る場合もあるので、副作用が出た場合には服用をやめ医師の診断を受けることを強くおすすめします。


インヨウカクが入った精力剤

インヨウカクは一般用医薬品に分類されるため処方先等を必要とせず購入することができます。

インヨウカクを配合している商品として有名なのは薬用養命酒です。薬用養命酒は第二類医薬品に分類され、処方箋を必要とせずに購入することができます。

薬用養命酒の1日の摂取量で114mgのインヨウカクを取ることができます。

また養命酒以外では、漢方薬局などでインヨウカクを粉末の状態未加工の状態で購入することもできます。

インヨウカクを煎じるか薬酒として用いると、強精強壮作用が体に優しく効くことになるので自宅で飲んでいる人もいます。

ただし自宅でとる場合には副作用があることも考慮して、取り扱いには十分な注意が必要になります