EDは「Erectile Dysfunction」の略で、日本語では「勃起不全」と訳されます。
勃起障害となると男性のみの病気ということになりますが、広い意味で「セックスが満足にできない状態」と捉える人もいます。
性行為が満足にできない状態と考えると、女性もEDになることがあります。
女性のEDは捉え方次第
EDを「勃起不全」と捉えると女性のEDはありませんが、性行為ができないと考えると女性もEDと考えることができます。
女性でも性的関心や興奮がない人もいますし、性器が濡れないことで挿入が難しいなど、セックスが満足にできない状態もあります。
このような場合、女性版のEDといえ、女性のEDは「FSD」と呼ばれます。
FSDは「Female Sexual Dysfunction」の略で、女性性機能障害と訳されます。
FSDの症状には大きく以下に分類されます。
- 性的関心、興奮障害
- オルガズム障害
- 挿入障害(性器・骨盤痛)
- 薬剤誘発性性機能障害
- その他
性的関心が薄かったり興奮しづらい人は、FSDの約3割を占めると言われ、その他にオルガズム障害が約15%、性交に伴う痛みなどが15%と推定されています。
FSDという言葉が普及していないことで、あまり身近な感じはありませんが、女性が生涯でFSDとなる割合は3割から5割と言われています。
女性版ED「FSD」の特徴
FSDの特徴的な症状である、性欲関心障害、オルガズム障害、挿入障害にはそれぞれ特徴があります
性欲関心障害
性欲関心障害は、性欲が低下していて、セックスをしていても興奮ができない状態です。
パートナーを男として見られない場合など、生活上のストレスや精神的苦悩などなど、心労が重なることで性欲が減ると言われています。
またホルモン異常や薬の使用等によって女性の性欲が抑えられていることも考えられます。
オルガズム障害
オルガズム障害は、性的刺激を受けて興奮するけれどもオルガズムを迎えられない状態です。
いわゆるイケないという状態ですね。
女性の体の仕組みや性教育に対する誤解から起こることが多いとされています。
パートナーの性的な技術不足やコミニケーション不足も原因で、気にしすぎると大きなストレスになります。
挿入障害
挿入障害は膣や骨盤の痛みで挿入できないことです。
性器が濡れないことや弾力性がなかったことで、挿入時に痛みが起こる症状といわれています。
骨盤や膣の付近を手術している事から起こることもあります。
濡れないことで挿入が難しくなり、心理的な問題や性への嫌悪感からが原因で濡れなくなり、その後さらに悪循環にハマってしまいます。
FSDの改善
パートナーへの思いやりや興奮が重要
このようにFSDの症状にはいくつかの特徴がありますが、改善という意味ではパートナーとのコミニケーションや思いやりが重要になります。
相手に対する性欲や共感がないと、女性はなかなかセックスに前向きになれずに体も反応しませんよね。
パートナーへの義務感や申し訳なさからセックスに応じたとしても、無理をして興奮することもなく、セックスに対する苦手意識を過剰にするばかりです。
この状態が続くとセックスレスなりますし、それによって夫婦仲が悪くなったりパートナーが浮気や不倫をするケースもあります。
男性の勃起障害はバイアグラ、レビトラ、シアリスなどをED治療薬が選択肢として普及しています。
一方で女性の性器の障害治療は薬によるものはあまり一般的ではありません。
女性のFSD治療は精神療法が中心
精神的なものから来ていることが多く、男性でいうところの心因性のEDの一部のような形になりますので、精神療法やカウンセリングなどが有力な選択肢となります。
少し綺麗事に聞こえるかもしれませんが、相手のことを思いやり、もう一度自分が性的興奮を覚えられるような状況になるようお互い思いやりを持つことがまず大切です。
スローセックスなど挿入を前提としないセックスもありますので、そのような事から取り組んで徐々に克服をしていくと良いでしょう。
ただし自己治療や改善が難しい場合は医師の診察を受けてカウンセリングや精神療法、場合によって薬物の使用等を検討されると良いと思います。